もうおわりっすか!最後の戦い!前編

コロシアムに二人が立つ。シギとレース。「ふう、来てしまったわね・・・」「ええ・・・」レースは背の大剣を引き抜いた。他の四人はそこにはいない。二人がそう願い出たのだった。過去にない一対一のバトルとあって会場には人が詰め掛ける。
「え〜それでは最終戦の開始に先立ちまして某国国王、ガリオル様よりお言葉を頂戴いたします。」・・・ああたいそうな呼ばれ方しているがリオさんのことだ。リオさんはつかつかとコロシアムの中に入ってくる。「来るこの日、もうかれこれ五回目となるこの大会の決勝に花添えできること、実に光栄に思う。ここまで来るのに大変な苦労もあったはずだ。それをばねにして、優勝準優勝などにとらわれず、全力で勝ち抜いてほしい。以上!」歓声が上がる。「では国王、開始の合図を!」リオは二人の顔を交互に見て、覚悟の決まり具合を把握する。「二人とも、手を抜くなよ・・・まあでも気楽にやれ。準備はいいな?」「「はい!」」(二人分の返事)その声と同時にコロシアムの風景が一変した。バーチャル映像だろう。一言で言ったら「虚無」。「ここは俺が前大戦で最後に戦った場所さ。それじゃあいくぜ・・・」リオは手をぐっと振り上げる。「試合・・・開始!」その合図が聞こえるか聞こえないかの瞬間に、レースの剣圧がシギを襲う。しかしシギは高速でレースの後ろに回りこみ、パンチを食らわせる。レースは剣で受け止め、一歩後退後、更なる一撃を浴びせる。シギも力を手に集め、怒涛の一撃。剣と拳がぶつかり合う。「ぐ・・・強くなったわね、シギ!」「え・・・?」レースはそのまま切り上げ、連続剣を浴びせかける。かなりの数は防いだものの、それでも何発かはあたったようだ。血がにじむ。「あなたはここに降りてきた中では一番弱かった。戦いなんてもってのほか、それに引き換え私は一番強かった。でもあなたは強くなったわ、シギ。でもね、まだ・・・」レースは剣を大きく振りかぶった。「私のほうが一歩上よ!」レースの剣が赤いオーラに包まれたかと思うと、それがシギにあたり、地面に剣圧で大きな裂け目ができた。「・・・くぅ、流石・・・です」しかし、シギは無傷。それどころか、翼が六枚現れた状態。−ディメンジョン・クロス−「でもせっかくここまで来たんです、負けません!」シギが一瞬分身したように見えた。それはレースにも見えたのだろう。剣で防御するもすり抜ける。本体は右方から渾身の一撃。レースはそのまま何とかアウトを避けるが、見たところ右腕の骨が折れたようだ。剣を持つ右が。「く・・・どうやら私も使うときが来たようね・・・」レースがそういったとき、周りがものすごい力のオーラに包まれた。同時にレースの目が青く光り、四枚の翼が現れる。「お互い最終状態。決着といこうじゃないの!」
・・・さあ明日で終わりか・・・