クレア大陸編第二十二章 シギの持ち霊

さあ今日はエルトシアさんがどたばたと走り回っている。なんでも南の砂漠に塔が出現していたらしく、そこから現れたモンスターがクレア城下町に向かっているという報告が来たからだ。リオさんは急遽予定を変更、精霊はシギたちに任せ、この大群を迎え撃つらしい。
さて、これを聞いたシギは・・・
「りんちゃん、そういうことだ。何とか頑張ってくれい。」との電話。
りんたちは海の中の謎の空間に入り込んでいた。海の色が変わっているところに飛び込むと、ここに着いたというわけ。さあリオさんたちの加勢がないと考えると、なんとか消費体力削減を考えるが、中は迷路。もう迷いに迷って三人はへなへなである。
「レースさん、大丈夫ですか?」とりん。「うう、足が痛い・・・なんでりんはそんな平気なの?」とレース。「忍者ですからねぇ」とりん。「理由になってませんよ・・・」とシギ。と、ここでシギの頭に何かが引っかかった。何かが自分を呼んでいるような・・・?その後、リオの言葉がよぎる。「何か不思議な感じがした」・・・シギは二人に言って、自分を呼ぶ声みたいなものに導かれながら迷路を進む。すると・・・何かの扉にたどり着いた。中には・・・二つの台。一方には何もないが、もう一方には赤いオカリナがあった。りんが、「オカリナ・・・?」と言いつつ、それに手を伸ばすが、なんと手がはじかれる。レースも同じく。だが、シギの手はその抵抗を受けることなくオカリナを手に取った。すると、
「やっと来たか、我が主よ・・・」という声とともに、オカリナから・・・獅子?みたいな赤い動物が出現した。「あなたは・・・」ここで、りんがいち早く感づいた。「まさか・・・法霊?」その通りだ、とその獅子は答える。「我が名はゴウレン。ウォーレンとは遂になる精霊だ。奴がいち早く目覚めたとき、我が魂に共鳴する心を見つけてな。それがお前だ、・・・シギ、と呼ばれていたな。」共鳴現象はりんは聞いたことがあった。そこでシギにアドバイスを与える。「・・・じゃああの霊は私の持ち霊足りうる存在、ということですか?」そういうことです、とりんは頷く。「では、ゴウレンさん、あなたの対の精霊を止めるために、協力してくれますか?」「無論だ、我が主よ。そのオカリナを奏でるがよい。そなたの中にはもう一つ、眠っている力がある。」眠っている力・・・とシギは言いつつも、その楽器を吹いてみると・・・周りの空間がどんどん変わっていく。音は何かの流れを持つように響き渡り、自然に指が動き、それは初めてとは全く思えない音だ。りん・レースも聞き入るように聞いていた。すると、シギの体に変化が現れた。背に翼が六枚現れ、体が鎧に包まれてくる。りんが持つのと同じ力。天使の最終形態だ。さあ今日は長いのでここまで。明日には・・・どうなるかねえ。