クレア大陸編第十八章

今日は準々決勝。その前に上位八チームの顔合わせ。
ここからはクレア城公認大コロシアムでの戦闘となり、
観客数も比ではない。ちなみにここからは一日いくつも試合をやる。
正確に言うと、今日は準々決勝、明日は準決勝と三位決定戦、
明後日は決勝、ということだ。ちなみに今日のシギの試合は一戦目。
相手は・・・まずはせこいの一言。残り七人中三人が固まっているとは。
まあまさか全チーム一人ずつなんて事はないと思っていたが。
一人は・・・あのグロスだ。こいつはまあおいておこう。
あとなんだかたいそうな弓を持った男一名、魔法使いっぽい女性一名。
名は・・・順にエッセルとセルーノ。
さあ歓声に囲まれながら試合開始。シャルは星恵さん直伝の補助呪文
で、シギとりんさんの周りにバリアーを張る。しかし、
セルーノの氷呪文で地面がほとんど凍りつき、うまく二人が動けてない。
グロスは槍を、エッセルは弓を、猛スピードで放つ。
避けようとするも、またもや氷呪文で足を固定されてしまう。
しかしそんな簡単に沈む二人ではない。りんさんの重力呪文で弓や槍は
地面に叩きつけられ、シギの火炎呪文は氷を全て溶かしてしまう。
相手もこの二人の力量を理解したようだ。翼を出して突っ込んでくる。
直撃は避けているものの、かなり危ない。三人相手は流石に分が悪いな。
するとりんさんが、シギに「少し時間をちょうだい」と言って後退。
シギは炎のかべで何とか攻撃をはじきつつ、時間稼ぎ。
しばらくすると・・・いきなり衝撃波が起きたかと思うと、りんさんの
姿が大きく変わっていく。体はどんどん鎧に包まれ、翼は六枚に。しかも
今まで一度も抜いていない背の剣を抜いた。
ここからはもはや目で終えない。りんさんの呪文が三人を捕らえ、さらに
分身したかと思うと、高速剣がセルーノをずたずたにしてしまう。
グロスエッセルの攻撃も全てはじかれ、シギの援護の爆炎が二人を
弾き飛ばした。ここで一瞬りんさんの動きが止まる。
「死剣・・・」と言った瞬間、りんさんが消え、一瞬で二人は無残に
切り裂かれてしまった。実質一人で三人倒してしまったわけだ。
三人は即病院送り。りんさんが急所を外したので、致命傷には至らなかったらしい。
試合を見ていたレースはりんさんにいろいろ話している。
技のやり方とか。しかしこの技、りんさん以外には無理みたいだ。
レースも一人天使をなぎ倒して準決勝進出。ブロック的に、シギがレースと
当たったとしても決勝だ。しかし、りんさんといい、
赤緑の法乱を生き抜いた人たちはどことなく変な感じだなぁ・・・
☆ちなみに赤緑の法乱とは・・・リオさん及びマナさんが関わった大きな戦争。どこからともなく現れた未知の機械兵に天界の軍の一部が寝返り、結局のところ地上軍と天界軍のほんの僅か(一艦隊)Vs天界軍寝返り組と機械兵軍隊という大戦争に発展した。まあ戦闘は、DA(デュエルアーマー)と呼ばれる機体が中心となっている。形勢は当初は地上軍の圧倒的不利であったが、「スターオペレーション」と呼ばれるプロジェクトの元開発された試作DA、コードネーム「リゲル」の出現が戦局を大きく揺るがし、最終的には機械兵を仕切っていた親玉が落ちたことで戦争は終結したと言われる。その際、最後、空に大きな赤と緑の光が目撃されたことから、後に「赤緑の法乱」と呼ばれるようになった・・・らしい。byリオさん