クレア大陸編第十章

さあ今日星恵さんから、明日試合だという報告が来た。
そしてネットワーク検索の結果も出たという。なんでも
確かにシギ以外に、保有魔力が高い者は数人いたそうだ。
ただしリオさんとかみたいに、関連のない人間でも魔力が
高い人間もいるので、八人かどうかは分からないそうだ。
そして、シギに体術を教えるためにまた新しい人が現れた。
グランさんだそうだ。なんでも拳法の達人らしいが・・・
さらにりんさんと組み手をしたりしている。といっても
壁は上るわ床は砕けるわもうそれは組み手とは次元が違う。
さらに、マナさんも指導。熱エネルギーで体の筋力を活性化させる
術を教えている。流石のシギもあまりにたくさんのことを教えられたせいで
頭がこんがらがっている。それでもパンチ一発で
まあ軽く地割れは起こせるくらいになったようだ。これでは
パンチ一発食らっただけで肋骨砕けるを飛び越えて全身が
複雑骨折間違い無しだ。おお怖い。
ちなみにここまでの修行時間は僅か三時間。普通なら一ヶ月はかかるだろう。
そこにある訪問者が。リオさんやマナさんにりんさん、グランさんに
星恵さんまでいるところにだ。背に大きな剣をしょった少女だった。
「ふふ、はじめまして・・・ここではシギって呼ばれてるのね。」
といってきた。この時点で敏感なシギとりんさんは何かを感じ取った様子。
「あなたまさか・・・」とりんさんが背の刀を抜く。
しかし少女はまあまあ、と剣を下げるように言う。見た感じ
悪いやつではなさそうだ。
「私の名は・・・そうね。レース、と呼ばれてるわ。あなた・・・シギと
同じく、この人間界に落とされた者よ。よろしく。」
更に少女は続ける。
「今日は様子見。あなたは一応『瞬拳』の名を持っているから、要人に
越したことはないし、いいバックがついてるみたいだからね。」
レースと名乗る少女はリオさん達の力を既に見抜いているようだった。
「じゃあ決勝であいましょう。お互い全力で戦えるように・・・あと、これからは
気をつけたほうがいいわ。私みたいに正義の名の下に動く天使もいるけど、
中には暗黒に染まった奴もいるから。いきなり仕掛けてくるかもよ?」
そう言ってレースは去っていった。もう問題はすぐそこに迫っていることを
改めて思い知ったような気がする。
・・・それにしても、これで僕にも影響があるんじゃあなかろうか・・・