シギの魔法能力育成第三章

今日は何をしているのかな。
昨日先生が言っていたように、今日は防御呪文をやるそうだ。
今回は初歩の初歩の防御呪文を教えてもらっている。なんでも
物理的なエネルギーをはじき返すものだと。衝突とか、そういった類だ。
もちろんシギはすぐに習得。時間にして僅か一分三十秒。流石シギ。
早速先生の魔法を受け止めてみる。先生はかなり加減しているのか、
攻撃のエネルギー収束も限りなく小さい。まあそれがシギの馬鹿でかいシールド
にあたるや否や、そのエネルギーがシールドの有り余るエネルギーを吸収し始めた。
どんどん大きくなってきて、もうその大きさは先刻の十倍以上。それが
とうとう跳ね返された。先生も流石に危険を感じたのか、何かのフィールド
で身を守った。その威力たるや、先生の守りも簡単に消し飛ばし、髪を黒焦げに
するほどである。
その威力を見た先生が、シギに悪魔の一言を漏らす。
「よかったら、今度の大会に出てみないか?」
大会とな?なんですかそれは。
まあそれはともかく、帰ってきたシギは、その言葉に明らかに触発されたようで、
「ご主人様、どこかに魔法の練習ができそうな部屋、ありません?」
などと聞いてきた。確か地下シェルターなら、その威力にも対応できるはず、
と思い、その場所を教えてやる。なんせマッハ6で飛んでくるジェット機
がぶつかってもびくともしない耐久力だ。
早速そこに行ったシギの様子を外から見る。なんというか、シェルターが
震えている。壊れそうな気配はないが、恐ろしい限りだ。
さあ、大会というのは何かは知らぬが、このシェルターが持っている当面の
間は大丈夫だろう。たぶん。