世間は今だ冬休み

冬休み 世間は長し 家短し
世間はまだ冬休みだそうですね。10日までということだそうで。うらやましい限りです。
今日も少し宿題に問題があります。昨日はちょっとした色塗りをしていたのですが、かなりイライラしていました。本当に。英語も嫌だけど、あれも嫌だなぁ・・・
さて、今日も+αを進めていくわけですが。今日はあんまり進めません。半端になるし。
 +α
上の階では兵士が叫んでいた。
「セーラ様!どうしてお戻りにならないのです!その者達はクレアから来た者だという疑いが出てきているのですよ!?」
「そんなことは知っていますわ!私は今までこの国というものから目を背けすぎました。私は、今一度この国を見極めなければならないのです!今は王国につくつもりはありませんわ!」
「それでは士気が下がってしまうのです!なにとぞご理解を!」
「あなた方は、王族無しでは何もできないのですか!」
その時、地下からカイとセレナが上がってきた。
「セーラ!大丈夫か?」
「カイ様!・・・はい、問題はありませんわ。」
「問題なくなど無い!」
そう叫んだのは兵士の中でも一際体格の良い兵士であった。
「貴様が・・・貴様がセーラ様を!この国を心から愛されていたセーラ様を・・・」
兵士は前で兵士達を押しとどめていたシャル達を蹴散らし、カイに突撃してくる。
「・・・変えてしまったのだな!」
しかしいかに体格がいいとはいえ、怒り狂っていては話にならない。一瞬で後ろに回りこんだカイがちょうど右足の間接部分に一撃を入れた。すると右足の膝から下が変な方向に曲がり、兵士は倒れてしまう。
(こいつら、本当は凄くいい奴なんだな。セーラのために、渾身の力で・・・)
「おい、あんた・・・隊長さんだろう?少し聞いていいか?」
「む・・・貴様・・・なんのようだ・・・」
「あんた達は、セーラのために、戦ってるんだな?あの王様のようにセーラに外を見せなかったり、しないんだな?」
「当たり前だ!我々は王の考えにも反対していた!我々はセーラ様のために、セーラ様をお守りするために!セーラ様!私をお忘れですか!」
そう言って隊長は被っていた兜を取った。黒髪の、いかにも男らしい、と言えるおっさんである。
「・・・あ・・・セロ・・・」
やっぱりな、とカイは頷く。攻撃の際にカイには痛いほど、この兵士の気持ちが伝わってきたのだった。だからこそ、急所を打ち抜くこともできたがあえて動けなくするだけにしたのだった。
「・・・セーラ。ここは一旦戻ったほうがいいと思う。わがまま言っちゃあダメだ。ここはな。この兵士達は、セーラを心配して、セーラのために来てくれたんだぜ?そうだろ?隊長さん。」
セーラにセロと呼ばれた隊長はあまりに予想外のことに思わずポカンとする。もちろん見方も含めて全員だ。
「それは私も賛成だ。この者の心、曇りは無いと思う。おそらく今の言葉も嘘ではないと思うな。確かに世界を見ることも大事だし、セーラと会えないのも、私としては心苦しいが、この者に比べればどれほどか、ということだ。この者達のためにも、戻ってやったほうがいい。」
セーラは少し考えた後、ゆっくりと首を縦に振った。
「・・・確かに、私はわがままになっていたのかもしれない。外を見れるために、焦っていたのかもしれない。カイ様。セレナ。一旦私は城に戻りますわ。でもいつか、またご一緒したいですね・・・。」
それを聞いたカイは、すっと立ち上がり、セロの右足をガン!と叩いた。すると外れていた関節が元に戻る。
「これで動けるだろう?」
「ぬ・・・そう・・・だな・・・」
セロはよろめきながらもゆっくりと立ち上がる。
「カイ・・・といったな。それに・・・他の仲間の者よ。一度城に来い。拘束はせん。我々とて、貴様らの正体くらいは知りたいものだろう?それに・・・」
そう言ってセロはセーラのほうを見てふっと微笑を漏らす。
「いや、今は何も言わないでおこう。来たまえ。」
そのまま一行は、今度は兵士達に連れられ、城に戻ることになったのであった。