シギの合宿先その弐

今日ちょっとした訪問者が現れた。
腰に剣を二本挿し、首からマントをかけている。なんていうか冒険者風の
服装だ。なんでも合宿する際に
泊まる家の人間だそうだ。合宿ってどこかの宿屋とかで
普通に止まるものではないのかと思いきや、
なんと王国のお城に止めてくれるそうだ。
理由は近いから、とまあ単純明快。
しかしその訪問者、ちょっと変わった風な感じで、シギはそれに感づいている様子。
この訪問者、恐ろしいくらい大きな力を持っている。
名前はリオ*1、というらしい。まあ優しそうな人だと思ったら、シギが
突然訪問者の後ろをさしてがたがた震えている。よく見るとそこには
小さな妖精が浮かんでいる。リオさん曰く、法霊という種類の
精霊獣だそうだ。僕にはよく分からない。
まあそんなこんなでシギといろいろ話し込んだ後、
次があるからと訪問者は去っていった。
それにしても合宿先がお城でそこの人って事は
それなりに高貴な人なのではないだろうか。
それにシギも震えっぱなし。これまでにない多大なる力の
持ち主だったようで、もうビックりだ。
その後すぐホノカ、エルミから電話があり、なんだかすごい人が来たと
言っていた。どうやら合宿に来る日と全員の家を回っているそうだ。
しかもホノカ曰く、窓から、その人がいきなり機械的な鎧に包まれて
飛んでいくのを見たそうだ。
・・・一体何者?
*赤緑の法乱 三年前におきた戦い。通称「天界戦争」と呼ばれていて、地上にも機械兵が大量に送り込まれて大被害を出した。だが空に赤と緑の光が見えてから争いが止んだことから、こう呼ばれている。

*1:この人、実は魔法大国クレアの国王、ガリオル・アクレア。赤緑の法乱と呼ばれる戦いを戦い抜いた七人の勇者の一人だが、現在はぽけ〜っと生活しているらしい