シギの魔法能力育成第二十章

今日は準々決勝。流石にシギのどでかい魔力は既に知れ渡っているらしく、
相手の目がシギにばっかり行っているのがわかる。
相手は混合チーム。男子も女子もいる。まあ男子2、女子1だが。
さあ試合開始。相手のうちの男子の一人を残し、男女二人がかく乱にかかる。
ホノカとエルミは初級呪文で牽制しながらも前進。シギは珍しく前のポジション
に位置している。一体何をするつもりなのだろうか。
しかし試合に動きが出た。相手の一人の呪文がホノカの腕に命中してしまう。
その瞬間を見計らって待機していた相手が呪文でホノカを場外へ
吹き飛ばしてしまう。これでシギ側が不利になった。
その時シギが動いた。どうやら誰かが倒れたときに動くように言われていたらしい。
それにしても早い早い、ビデオカメラを構えている僕の身にもなりたまえ。
そのまま一瞬にしてたった一人の女子がシギの体当たりで吹っ飛ばされた。
その動きに圧倒されているうちにシギが大気中の男子に一蹴。
どうやら力自体も半端じゃないらしい。男子ですら一撃だ。
そしてエルミもはじめてみるシギの攻撃に唖然としているうちに、
シギの魔法による波動で最後の男子も一撃必殺。
シギが動き出して試合が終わるまで僅か二十秒。もはや開いた口がふさがらぬ。
かくして準決勝は明後日。それにしてもシギってこんなに強かったんだ。
やばいな。僕って実はいつでもシギの手の上!?